【企業事例】廃棄物アートが街づくりを変える。三井不動産と『ACTA+』が描く新たな可能性

【企業事例】廃棄物アートが街づくりを変える。三井不動産と『ACTA+』が描く新たな可能性

2026年2月21日(土)から3月5日(木)に、東京ミッドタウン八重洲1Fガレリアにて開催された、パブリック・アート展「神秘の森」。本展は、株式会社ACTA PLUS(以下、『ACTA+』)が主催し、複数企業の協賛を得て開催が実現しました。

その中で「三井不動産株式会社」は、街づくりにおける環境との共生を掲げる「& EARTH for Nature」の考え方に加え、アートを通じた街の魅力向上という観点から『ACTA+』の取り組みに共感し、「神秘の森」に協賛。また、2025年に日本橋エリアで開催されたアートイベントを通じて築かれた関係性に加え、『ACTA+』が三井不動産主催の「POTLUCK AWARD 2025」のファイナリストに選出されたことも、今回のパートナーシップを深めるきっかけとなりました。

今回お話を伺ったのは、日本橋・八重洲エリアの街づくりを担う、三井不動産「八重洲街づくり推進室」の代島さん、「日本橋街づくり推進部」の森川さん、古川さんです。「神秘の森」へ協賛した背景や、八重洲・日本橋エリアにおける街づくりとアートの関係性、本展を通じて感じたことについてお話を伺いました。


△左から日本橋街づくり推進部 森川さん、古川さん、八重洲街づくり推進室 代島さん

 

アートで街に新たな価値を生む。日本橋・八重洲エリアに広がる、三井不動産の新たな街づくり  

 

──三井不動産さんは、前回は日本橋エリア、今回は八重洲エリアでアートイベントを開催されましたが、両エリアではアート施策の方向性や位置づけに違いはあるのでしょうか?


代島さん:

もともと日本橋は、当社の本社の膝元ということもあり、さまざまな開発を進めてきたエリアです。その中で日本橋エリアの価値向上のために、アートを絡めた仕掛けをこれまで実施してきました。


一方で八重洲エリア自体は、これまでアートイベントを積極的に行ってきたわけではなく、今回の「神秘の森」は、八重洲エリアにおける新しい取り組みという位置づけです。


──そうなのですね。今後、日本橋・八重洲エリアにおけるアート施策は、どのように展開していく予定なのでしょうか?


森川さん:

現在は、「日本橋と八重洲を一緒にアートで盛り上げていくような取り組み」を進めようと検討しているところです。小さな取り組みも含めて、幅広く連携をしていこうという整理をしています。

八重洲では、例えば「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」のような写真を軸にした取り組みもあり、そうした活動を中心にしながら、音楽を含めて、幅広くアートを捉えながら施策を進めています。


また、日本橋についても「今後どのような方向性で進めていくのがよいか」を模索している最中ですね。現代アートやデザイン、音楽など、特定の分野に限定せず、幅広い領域でさまざまな取り組みを実施しています。


2027年頃には、「東京ミッドタウン日本橋」の開業タイミングに合わせて、日本橋・八重洲エリアの新たな街づくり計画の発信も考えています。その中に、アートの取り組みも位置づけていきたいと考えており、今は模索しながら準備を進めている段階です。


△日本橋三井タワーで開催されたACTA+ ART AWARD2024の様子

 

──三井不動産さんが街づくりにおいてアートに注力される背景には、どのような考えがあるのでしょうか?


森川さん:

そこはまさに今、社内でも整理を進めているところですが、街づくりの差別化要素の一つとして、アートを取り入れていくことが重要だと考えています。

どのような価値に寄与していくのかについては、当社全体の街づくり方針とも照らし合わせながら、「目指したい街づくりの姿」に対して、アートがどう関わっていくのかを整理している段階です。


 

 

昼と夜で表情を変えるインスタレーション。「神秘の森」に寄せられた反響  


──今回の「神秘の森」は、来場者が空間の中に入り込み、作品を間近で体感できるインスタレーション形式でした。実際に開催されてみて、どのような反響がありましたか?

代島さん:
個人的には、アーティストの大薗さんの作品が東京駅側から非常によく見えて、アイキャッチとして機能していた印象がありました。思わず空間に誘い込まれるような感覚でしたね。

また、展示を見られた方からは、「昼と夜でまったく表情が違う」という声も多くありました。ライトアップによって布に光が当たって、風で揺れる様子など、特に夜は幻想的な空間になって印象的だったという感想が聞けました。

その一方で、「もっと作品の説明や世界観について、伝えるスペースがあってもよかったのではないか」といった声もありましたね。


──大薗さんの作品は色彩も印象的で、目を引く存在感がありましたよね。

代島さん:
そうですね。大薗さんの作品から奥へ進むと、布を使った展示空間が広がっていて、どんどん奥へ吸い込まれていくような構成になっていました。

実際に立ち止まって見てくださる方も多かったのですが、そうした空間構成も、人が自然と奥に進みたくなる理由の一つだったのではないかと感じています。

また個人的には、地域経済創発プロジェクト「POTLUCK YAESU(ポットラック ヤエス)」との親和性も高い取り組みだと感じています。アートを通じて、日本全国の地域プレイヤーや、周辺企業の関係者など、多くの人たちを巻き込んでいける余地があるのではないかとも感じました。


△2026年2月〜3月 東京ミッドタウン八重洲で実施した、パブリック・アート展「神秘の森」

 

「消費」だけではない街づくりへ。環境との共生と廃棄物アートの可能性  


──
今回の「神秘の森」のように、使わなくなったものや廃棄物を活用したアートについて、街づくりとの親和性は感じられていますか?


代島さん:

そうですね。今回の「神秘の森」は、当社のコンセプトとの親和性が大変高いと感じました。

当社では昨年、「街づくりと環境との共生宣言」を掲げています。

街づくりというと、どうしても「再開発をして、大きなものをつくる」といった、「消費」と結びつくイメージを持たれやすい部分もあると思います。そうではなく、街と共存しながらリサイクルも含めた取り組みを、街づくりの一つの柱として発信しています。

デベロッパーとしてこうした取り組みに関わっていくことは、当社にとっても非常にプラスになることだと感じていますね。


また、三井不動産の日本橋・八重洲の街づくりには、「残しながら、蘇らせながら、
創っていく」という大きなコンセプトがあります。

新しいものをつくるにあたっては、どうしても壊さなければならない部分も出てきます。そうしたものや廃棄物をうまく活かしながら、残していく要素としてアートに昇華できるのであれば、街づくりのコンセプトとも非常に近しいと感じています。



△八重洲エリアご担当の代島さん

 

 

地域企業と共につくる。『ACTA+』と広げるアートプロジェクトの未来   


──
最後に、『ACTA+』との活動において、今後どのような期待や可能性を感じているか教えてください。


代島さん:

今回も、さまざまな企業さんとタイアップしながら廃棄物素材をご提供いただきました。

例えば八重洲で開催するのであれば、東京ミッドタウン八重洲のテナント企業を巻き込んでいくこともできますし、街の他の関係者との連携も、さらに展開できるのではないかと感じています。


──地域企業との連携を深めながら、街で生まれた廃棄物素材を活かした新たなアートプロジェクトへ発展していく可能性がありそうですね。


代島さん:

そうですね。これからも、ぜひ『ACTA+』さんとは、地域経済創発プロジェクト「POTLUCK YAESU」などとも絡めながら、地域発のこうしたムーブメントを広げていきたいと思っています。


今後も連携しながら、私たちもより成長しながらご一緒させていただければ嬉しいですね。


──2027年頃には、「東京ミッドタウン日本橋」の開業も予定されていますよね。『ACTA+』としても、今後さらに三井不動産との連携を深めながら、アートを通じた「持続可能な街の景色」を共に描いていきたいと考えています。貴重なお話をありがとうございました。

 

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